A/T滑りで入庫の996です。
お客様が、ご自身で手配された中古ミッションに載せ換えることになりました。

しかしご入庫いただき、エンジン始動しようとしても初爆がありません・・・・
すぐにお客様にご連絡し事情を説明、でも今までそんなことはなかったそうです。
仕方なく工場に異動して故障診断、先ずはDMEスキャンから

ATのDTCばかり
怪しいのはクランク信号?

クランキングで回転していることがわかりました。
今度はエンジンルームを点検、リザーバータンクの冷却水料が少なく・・・・漏れを点検していると勢いよく冷却水が噴き出しました。
なんとクランクプーリー横のプラスチックでできているホースを繋ぐソケットが破損して、エンジンルームはビチョビチョ、取りあえずパイプで接続し、水を補充して診断を再開
今度は燃圧、デリバリーパイプのサービスプラグを外すと、勢いよくガソリンが出てきましたが、念のため燃圧も測定、写真はありませんが3kg超と問題ありませんでした。
こうなるとオーバーヒートという最悪の展開を想定してコンプレッション測定

先ずは2番シリンダーのみ測定するとこんな感じ、スロットル全開で初爆があることが分かりました。
つまり圧縮低下による暖機後の始動不良といえますが、スロットル全開で長めのクランキングでエンジン始動できるとこが分かりました。
一安心ということで載せ換え完了

ATFを補充する前に持ち込みのフィルターとオイルパンパッキンを交換
ATFレベルを調整すればミッションはOK
今度は破損したソケットを交換

LLCを補充してエアー抜き完了
試運転してみるとミッションの状態は良好
でも暖機後にシフトレバーが重くなってしまうことが判明
酷い時にはPレンジにシフトしてもR位置までしか動かずインジケーターも点滅
そこで今度はリンケージを切り離して単体操作

シフトケーブルではなく、ミッション内部不具合ということが分かりました。
冷機時にも暖機後にも不具合がでない位置を探してリンケージを調整すること4回
暖機後の各部実測値はこんな感じ

試運転して水温103℃、ATF温度90℃の状態で試してみましたが不具合なし
ということで本日納車させていただきました。
が先程お電話がありPレンジにシフトできない不具合発生とのこと・・・・
リンケージ調整では直らないことをご説明しA/T内部修理のご依頼を受けました。
posted by じんちゃん at 20:29|
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